昌平中学・高等学校へ行ってきました

先日は昌平中学・高等学校へお邪魔しました。

まずは私立中学校・高等学校全体のお話。
埼玉県内の私立中学校全体では応募者数は増加傾向にあるものの、入学者定員充足率(埼玉県全体の私立中学校の定員に対して入学した人数の割合)は0.86倍で変わりなし。
昌平中学校はここ数年は定員割れしていませんが、都内や他県に合格して通っている人も多いのでしょう。
埼玉県内の私立高校の入学者定員充足率は1.04倍と昨年より0.03倍増えてます。
埼玉県内の全日制公立高校と私立高校の志願者数は公立-188名、私立+690のでした。
就学支援金(国)、軽減補助(県)の浸透もあり、私学教育への評価が高まってきているのだろうとおっしゃっていました。
また、埼玉県と限らず全日制へ進学している割合がここ数年下がってきているのも特徴です。
以前は全日制高校へ進学していた割合が94%くらいだったのが、90~91%になっているそうです。
N高などの通信制高校に進学する人も増えています。私立高校でも通信制を開校したところもありますしね。
近場では麗澤高校が開校しました。以前の記事(麗澤中学・高等学校へ行ってきました)をご覧ください。

さて、昌平中学・高等学校は東武日光線杉戸高野台駅からバス5分または徒歩15分、JR宇都宮線・東武伊勢崎線久喜駅から直通バス10分で通える学校です。野田市内からは杉戸高野台駅から通う形になるでしょう。
中高全体の在籍総数が1900名を超す大きな学校です。
大学進学もさることながら、色々な部活でも活躍しています。
昨年度は野球で東北楽天ゴールデンイーグルスのドラフト1位指名が出ました。また、Jリーガーも4名出ています。
他にもラグビー部や陸上部・男子バレーボール部が全国大会に出場しています。

中学校・一貫コースの取り組み

中学1~3年はIB授業と言ってアウトプットをメインとした思考力・表現力・活用力などをつける、タブレットを利用したりみんなと討論しながら進める授業と、従来型授業であるみんなで黒板を向いて座り先生が授業をしていくという基礎学力を育成し、確かな知識を身につける授業でインプットを行うという両極端な展開をしています。アウトプットをするためにはしっかりとした知識がなくてはいけないので、覚えるまで・解けるまでトレーニングをして、小テストなども行っていくという感じです。
その結果、色々な雑誌等で「面倒見がよい」「6年間で伸びる進学校」「入学時の偏差値に比べ、大学合格実績が高い」「グローバル教育に力を入れている」……などのランキングで県内1位や2位になっています。
高校1年次には基本的には中高一貫クラスの「特進コース」に進みますが、希望によっては「IBコース」や他クラスに入ることも可能です。その場合は試験があります。

高校の取り組み

昌平高校には3つのコース、6つのクラスタイプがあり、IB 【DP】コース(グローバル教育徹底クラス)・特別進学コース[T特選・特選・特進アスリート(文武両道超徹底クラス)]・選抜進学[選抜アスリート(文武両道徹底クラス)・選抜]に分かれています。
IBコースは海外大学や国内難関大学を目指すクラスですが、大学の一般入試には対応していません。かなり特殊なクラスです。IBコース専用の学校説明会も行われますので、しっかり話を聞いてから受験をしましょう。特別進学コースは難関国立大や難関私大を目指すコースです。中でも特進アスリートクラスは朝0限から授業を行い、放課後は部活に専念するというスタイルです。選抜進学コースはG-MARCHを目指すコースとなっています。

PEP(パワー・イングリッシュ・プロジェクト)

中・高で実施している英語力超強化プログラムです。
全校生徒が英語を得意教科にするために、様々なプログラムに全教職員が指導に当たっています。
英語はやった時間分だけしっかり力が付くということで、中学入学時には英検準2級(高校中級程度)以上取得者が8%だったところ、中学卒業時には約74%が準2級以上、2級(高校卒業程度)以上も約30%(Tクラスの2級以上取得者は約72%)でした。高校生では入学時準2級取得者が約41%だったところ、高校卒業時には準2級以上は約97%、約82.9%が2級以上を取得しています。しっかりと力をつけていますね。
プログラムはたくさんありすぎるので省略します。詳しくはHPのPEPのページをご覧ください。

今年は3年ぶりの体育祭を実施したそうです。
高校3年生の保護者だけ見学できたそうですが、その他の学年の保護者のためにもオンライン配信などを行いました。
業者にも頼んでカメラ・アナウンサーを入れ、本格的に行ったそうです。
ビデオを見させていただきましたが、みんな楽しんで本気で頑張っている姿が見られました。
カメラワークやアナウンサーにインタビューを受けながら応援しているところも面白かったです。
昌平の校長先生は以前からメリハリをつけて活動するとおっしゃっていて、楽しむときは楽しむ、勉強するときは勉強する部活をやるときは本気でやるというのを大切にしています。その一面が見られた映像でした。

進路指導について

今年は東大2名を含む国公立大101名(現役95名)という過去最多の合格者が出ました。
早慶上理ICUも82名(現役71名)、G-MARCHに236名(現役197名)という人数が出ています。
5教科を勉強し、科目を絞らせない(国公立を目指すには5教科必要、私立大学を目指すとしても科目数が多い方が有利になる場合もある)指導をしているところがこの結果を出しているのかもしれません。高1から大学受験を見据え学年ごとに目標や流れを決めて指導をされているようです。
また、当たり前の進路指導として生徒により添い、2者面談をたくさん行っているとおっしゃっていました。生徒数が多い学校でここまでしっかり行っているのはすごいですね。「塾に進路指導などを丸投げして任せる学校にはなりたくない。」とおっしゃっていました。確かに違う学校に通っている卒塾生が塾に立ち寄った時、「学校で模試の話を聞いたことがない」「外部模試を受けたことがない」「進路指導の話はたまにある程度」という話を聞いたことがあり、こちらもびっくりした記憶があります。今は変わっているかもしれませんが…。そのようにはなりたくないということですね。

「当たり前」を続けることが最強の力につながるとの事で、何よりも普段の授業を大切に、時間と期限を守る、最後までやり遂げる(部活も受験勉強も)など「人間力」を基本を高める→合格力を高めることにもつながる。これには生活指導も含むとおっしゃっていました。

今年度(2022年度)入試と来年度(2023年度)入試について

中学入試の方は以前よりも第1回入試を希望する割合が増えてきました。これは埼玉県私立中学校の試験解禁日に受けるということです。他の県内私立中学校が第一希望の場合はその日には他校を受け、昌平は第二回入試以降を受けることになります。(千葉県や東京都内の私立高校の場合は解禁日が異なるので、全員というわけではありません。)第1回入試を受けるということは埼玉県内でも希望が高いということになります。Tクラスは4教科受験または算数1科受験になりますが、算数1科受験は合格倍率が10倍を超えるかなり狭き門です。Tクラスは合格者全員奨学生Ⅰ~Ⅲとなり、入学金や授業料分の奨学金がでます。チャレンジしてみるのもいいですね。一般クラスは4教科・3教科(国・算・英)・2教科受験があります。4教科と2教科では受験者数が倍以上違って4教科の受験者が多いです。合格倍率は2教科の方が各回とも高くなっているので、4教科勉強している場合は4教科受験の方がいいかもしれませんね。
来年度は今のところ(6月の段階)は特に変更はないようですが、変更する場合もあるとのことです。「生徒募集要項」がでたら必ず確認をしましょう。
高校入試では毎年のことではありますが、単願・併願ともに不合格者が少なからずいます(だいたい2桁超え)。推薦をもらえたからと安心せず、しっかりと勉強して試験に臨みましょう。また、来年度は昨年同様マークシート方式です。数年前まで記述式でしたので、過去問に取り組むときには注意しましょう。
来年度ですが、6月現在では相談基準が単願の方で多少の変更が出ています。これは昨年度、今年度の入学者増に伴う人数制限によるものです。入試相談学力基準である偏差値や中学校推薦で使用する学校の調査書評定の基準が変更されています。ただ、最終決定はまだしていないそうです。次回の説明会で発表になるそうですが、使用する偏差値は北辰テストや外部模試の2回の偏差値平均が使用されます。7月~12月実施分を使用しますので、早い段階から模試を受けておくことは重要ですね。他に加点になる資格や検定などもあります。詳しくは講師に聞いてください。

昌平中学・高等学校はいつもながら元気があるなと感じますが、人数の多い学校なので合う・合わないがあるかもしれません。
この学校と限らず、入学したら3年または6年通う学校ですので、自分が受けようと思う学校はしっかりと見学をして学校の雰囲気を知っておいた方がいいと思います。気になるところは予約をして見学に行きましょう!

←たくさんの垂れ幕が出ていました。

こちらの校舎で説明会がありました。
この他にも校舎がもう1つあります。→