History is Useful
ある洋画の冒頭 ――
雪が斜めに降りしきる中、ゴゴゴゴと響くキャタピラの金属音。
暗い画面に『1939年 ポーランド』と字幕が入る。
ここで多くの視聴者が気付くんです。「あ~!ドイツのポーランド侵攻か!」と。
この冒頭の場面は、明らかに映画製作者が視聴者をその時代に誘いこむための情景描写で、さらに『ポーランド侵攻』というキーワードに紐づけられた『ヒトラー』、『ユダヤ人迫害』などといった記憶が自然とスタンバイさせられます。
まるで、「はい、みなさんご存知の!」、「この映画の時代背景はここです!」、「心の準備はいいですか?」などと声高にアナウンスされているかのようです。
実際、映画の中には歴史的な背景を知った上でないと楽しめない、あるいは理解しにくい文脈がけっこうあります。
「歴史やっといてよかったー!」
ぜひそうなってください。